携帯電話
子育ても余裕ができ、月に15日一日6時間の銀行パートに応募した、38歳。
その支店では、私より8歳年上のsさんも採用され 一緒に研修も受けてスタートをきった。
銀行業務は初めての二人は、悪戦苦闘の日々を協力して乗り切った。
その後、sさんは60歳迄銀行パートを続けられた。
私は、その後 子ども園へと、職種を変えて今に至っている。
sさんとは、つい先月はじめにも、楽しいお茶の時間を共にしたばかり。
昨夜携帯が、Sさんからの電話を知らせた。
通話ボタンを押すと、旦那様の声⁉
何だか、嫌な予感がした‼
肝臓癌末期と診断され、もう永くない妻に代わって、今迄のお礼の電話です、と。
あまりにも急な話で、口はモゴモゴ。
何て応えたかも、覚えていない。
子供がいないSさんがなくなったら、旦那様は一人ぼっちになってしまわれる、そんな事を考えて通話終了ボタンを押した。
今日、メールアドレスは聞いていなかったSさんに、Cメールなら届くかも?と打って送った。
Sさんと出逢えたことの幸せと、今迄の感謝を伝えたくて。
直ぐに返信が来た。
普通の日々を楽しんで下さい!と。
Sさんが旅立つ時は、どうぞ安らかであって欲しい。